こんにちは(^-^)カウンセラーのサティです。今回は精神障害の中でも特に正しい知識を持つことが大事な統合失調症について書きたいと思います。
統合失調症ってどんな病気?
統合失調症(とうごうしっちょうしょう)は以前“分裂症”と呼ばれていました。よく知られている症状としては幻聴・幻覚・妄想で、一般的には「一生治らない」「普通のコミュニケーションが取れなくなる」などのイメージが強くあると思います。
私の学生時代の友達のお母さんも、この統合失調症で、お宅に遊びに行くと妄想がひどくてなかなか普通の会話ができませんでした。家中に文字がびっしり書かれた小さなメモがたくさん貼られていて、異様な感じがしたのを覚えています。当時は統合失調症の知識がなかったので、そのお母さんとどう接したら良いかわからず、お宅に遊びに行くのが正直苦手でした。
とても恐いイメージの統合失調症ですが、決して珍しい病気ではなく、だいたい100人に1人がかかる病です。10代後半から30代に発症し、最近の統計によると男:女=1.4:1で男性に多いとされています。
なぜ正しい知識が必要なの?
統合失調症は慢性化しやすい病気です。生活環境、治療環境、心構え、看病する家族の在り方によって予後が変わります。本人は病気だと気づかない場合もありますので、コミュニケーションが取れず、本人がつらいのはもちろん、看病する家族も大変つらい思いをする病気です。正しい統合失調症の知識を得ることが、早期克服、重症化を防ぐ、看病する側の負担を減らすことに繋がります。
なぜ発症するの?
統合失調症の症状は、脳内の神経伝達物質のドーパミンの調整がうまくできなくなってしまうことが原因という説が有力です。
過去記事でも取り上げた双極性障害(躁うつ病)と同じく、遺伝的な要素が強いと言われていますが、100%遺伝するわけではなく、遺伝的にかかりやすい因子を持つ人が、大きなストレスを受けたときに発症するケースが多いです。
また、いじめや虐待の経験、威圧的な父親と委縮した母親の両親のもとで育った経験も発症の原因になることがあります。
詳しい症状は?
統合失調症には、前兆期・急性期・回復期・安定期の4つの経過があります。
前兆期…焦りと不安感、集中ができなくなる、神経や感覚が過敏になる、仕事や趣味に対しての意欲が減退する、不眠、自律神経失調症の症状などが現れます。この時期は、うつ病など、他の精神疾患の症状と似ているため、本人も家族も統合失調症だとわからないことが多く、また病院を受診しても、すぐに統合失調症の診断がつかないこともあります。
この時に大事なことは、無理をしない・させないこと。自他ともに怠けている感じがしてしまうと思いますが、このような時期はしばらく様子を見るようにしてください。
急性期…幻聴、幻覚や妄想など、統合失調症の特徴的な症状が出現する時期です。急性期には陽性症状と陰性症状があります。
陽性症状は、
☑近所の住民に嫌がらせをされるなどと思い込む
☑周囲の出来事を全て自分に関連づけて考える
☑盗聴器や監視カメラなどで常に誰かに見張られていると思い込む
☑誰かに追われている、また悪霊に取り憑かれていると思い込む
☑重い体の病気にかかっていると思い込む
☑自分は神だ、偉大だ、などと誇大妄想する
☑配偶者や恋人が浮気をしているなど、自分への裏切り行動をしていると思い込む
☑仕事などで接した異性に愛されていると思い込む
☑飲食物に毒が入っていると思い込む
☑自分の家族は本当の家族ではないと思い込む
☑電磁波で攻撃されていると思い込む
☑自分の周りで、何かただ事でないこと(地球の破滅など)が起きていると思い込む
☑宇宙と交信していると思い込む
これらの症状に、健常者はかなり困惑してしまいますが、患者本人にとっては本当に現実に起きていることなので、常に不安感や恐怖心でいっぱいです。そのため、睡眠や食事のリズムが崩れたり、周囲とのコミュニケーションがうまく取れなくなったりなど、日常生活や対人関係に支障が出てきます。
健常者には見えない・聞こえないかもしれませんが、想像はできると思います。想像するととても恐いですよね。看病する人は、本人の発言を「嘘だ」と決めつけたりせずに、共感してあげるようにすることが大事です。
一方、陰性症状は、消耗期とも言われ、無表情、無反応、無気力、自殺願望などの症状が出ます。眠ってばかりの状態が続きますが、それは回復の兆しでもあり、陽性症状の疲れを癒す大事なプロセスでもあるので、たくさん寝かしてあげましょう。
回復期…適切な治療により急性期がだんだんと治まっていく過程です。少しずつ現実感を取り戻していきます。周囲からは良くなったように見えますが、現実的になった分、患者本人は将来への不安と焦りを感じるようになります。本人も見守る家族ともに、焦らず辛抱強く待つ姿勢が重要です。自殺願望も起きやすいので、就労をすすめたり、頑張りを強いるのはやめましょう。
安定期…回復期を経て、安定を取り戻す時期です。病気になる前の状態に戻れる場合もありますが、症状が残ってしまう場合、また残念ながら前兆期に戻ってしまう場合もあります。
治療法は?
ドーパミンを調節する薬など、投薬治療が中心となります。また陽性症状が強く、日常生活が極めて困難な場合は入院します。
少し前までは、強い薬を服用するため、副作用がかなりきつかったようですが、今は副作用を抑えた良いお薬が出てきているそうです。
治療する上で信頼できる医師との出会いがとても大事です。被害妄想もある病気なので、医師をどんどん変えてしまう患者が多いそうですが、一度信頼できる医師と出会えたら、簡単には変えずにきちんと相談することが肝要です。良い医師を見つけるポイントとしては、
- 日常の困ったことをきちんと聞いてくれる
- 薬の調節をしてくれる
- 統合失調症の患者をたくさん診ている
①に関しては、保険治療の場合、診察時間に限りがあります。短い時間の中でもきちんと話を聞いてくれ、何よりも相性がいいと感じる医師が良いです。
②は、同じ系統の薬でも種類や量によって効き目や副作用が異なります。どんどん種類と量を増やしてしまうだけの医師はおすすめしません。
③は、医師にも得意不得意があります。統合失調症であることを見抜いてもらえず、悪化させてしまうケースもあるので、疑わしい場合は口コミなどを調べて、統合失調症の症例をたくさん診てきている医師を選ぶようにしましょう。
最後に統合失調症がわかりやすく描かれたおすすめの本の紹介です。
『マンガでわかる!統合失調症』中村ユキ著
マンガなのでとてもわかりやすいですし、統合失調症の経過や治療がよく理解できます。統合失調症のお母さんを持つ娘さんが、看病する過程で悩んだことや困ったこと、解決策や学んだことなどをまとめています。もし統合失調症について、さらに詳しく知りたい場合はこちらの本がおすすめです。
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