こんにちは(^-^)カウンセラーのサティです。
双極性障害とは、かつては「躁うつ病」と言われ、躁状態とうつ状態の波が交互に出現する病気です。過去の記事『うつ病とは全く違う!?躁うつ病(双極性障害)ってどんな症状?』に双極性障害について詳しく書いていますので、そちらも併せてお読みください。
双極性障害は病状をきちんと見抜いてくれ、適切な薬を処方してくれる医師との出会いが、予後を決めると言っても過言ではないほど重要です。
Contents
休職と復職をくり返すAさん
ご相談者のAさんは看護師をしていました。看護師として有能ですし、責任感もあります。けれど20代の頃から安定して働くことができないと言います。
仕事で睡眠不足が続くと、心身ともに重だるさを感じ、起床もできなくなるほどつらい状況になり、病院を受診すると「うつ病」と診断されたそうです。抗うつ剤や睡眠剤などが処方されますが、改善せず、出勤ができなくなり仕事を辞めてしまいます。薬は効いていないと自己判断し、服薬も通院もやめてしまいました。
半年も休職していると、経済的な問題もありますし、元気も出て「また仕事をしたい!」という意欲も湧いて看護職に戻ります。ところが数年経って、重要な仕事を任されるようになると、またうつ状態に陥ってしまいました。
医師に相談すると、うつ病に加えてPMSの疑いがあることを指摘され、婦人科でピルも処方されました。ところが、その際処方された抗うつ剤もピルも、まったく効いていないように感じたそうです。
Aさんは再び休職し、家に引きこもりました。看護師はとてもハードな仕事です。看護師の仕事が自分に合わないのかと思い、ほかの仕事に転職したりもしましたが、長続きしません。
休職と復職を繰り返すうちに、Aさんは自信をすっかり失ってしまったそうです。40歳を過ぎた頃、そんな自分をなんとか変えたくて、病院を訪れて診察を受けると、そのときになって初めて双極性障害と診断されました。
双極性障害の正しい知識と治療方針を聞いて、Aさんは双極性障害の治療を受けていますが、心身ともにとても安定してきたようです。Aさんは、やっと自分の人生に希望が持てるようになったと同時に「20代のときにちゃんと治療を受けていたら、もっと違う人生だったのかもしれない」と、悔やむ気持ちもあるようです。
このAさんのエピソードは、Aさんに限ったことではなく、双極性障害の方によく聞かれるお話です。双極性障害は適切な治療を受けていないと、治ったと思った症状が再発しますし、その間に何度も休職と復職を繰り返し、安定的な生活ができないという特徴があります。
双極性障害の診断・治療が難しい理由
Aさんが早期に適切な治療を受けられなかった理由は、
- Aさんの双極性障害を見抜いてくれる医師との出会いがなかった
- Aさんが治療を自己判断でやめてしまう
- まだ回復期で休息が必要にも関わらず、躁状態のときに復職してしまった
- 本人に双極性障害の正しい知識がなかった
これらが主な原因です。「それでは医師との出会い、相性がすべてを決める?」と思われるかもしれませんが、それだけではありません。双極性障害の診断・治療が難しい理由はほかにもあります。それは躁状態とうつ状態のときで、本人の気分が大きく変わるからです。
躁状態のときには、
- 自分はなんでもできる気がして、気持ちが大きくなる
- ずっとハイテンション
- 多弁(しゃべり続ける)
- 話や文章で話題が、次から次へと変わる
- 注意散漫、落ち着きがなくなる
- 仕事・遊びの活動が増加し、よく動く
- 買い物などの快楽的な衝動が抑えられなくなる
- 性的逸脱行動
といった症状が現われます。この状態のときには、本人に病気の自覚(病識)がまったくありません。むしろ周囲の人から見て異常な印象を受けます。
ところがうつ状態になると、一気に気分が落ち込み、ひどいと起き上がることもできず、家から一歩も出られなくなってしまいます。ここで初めて本人は病識を持ちます。しかし、病識があって診察を受けたときに「うつ病」などの双極性障害とは異なる診断をされることもあります。
そして治療中に躁状態の波が来ると、本人に病識がなくなり、「治った!」「もう治療はいらない」「今なら働ける気がする!」という気持ちが高まり、自分から治療をやめてしまいます。
また「まだ治療が必要だよ」と言ってくる医師や家族たちを疎ましく思い、反発します。この時点で「医師と相性が合わない」と感じることも多いようです。
双極性障害の治療は「予防」
躁状態にある人にとって、「まだ病気が治っていなくて、治療の継続が必要」という事実を受け入れることは非常につらいものです。事実、双極性障害を持った芸術家、作家、俳優はたくさんいて、素晴らしい創造力を発揮していることもあります。半面、薬物や自死に至ることが多いことも事実です。
「自分は有能なはずなのに、なぜ病気?障害?」そう思われるかもしれませんが、私は双極性障害の治療は、高血圧の人が降圧剤を飲み続けることと同じだと考えています。高血圧は生活習慣によるところもありますが、体質もあるし、遺伝も大きい…双極性障害も同じなのです。
躁状態を薬で予防することによって、重いうつ状態も回避することができます。休むべきときにしっかり休息を取ることができるので、短いスパンで休職と復職をくり返さなくて済みます。
まずは病識を持って受診する
双極性障害だからといって、恥ずかしがることはありません!まずは病識を持ち、治療を(予防)を継続する意志をしっかり持ちましょう。薬で気分の波を抑えることができたら、自分が持つ本来の力を発揮することができます。
初めて受診する場合は、双極性障害に特化したクリニック、病院を選びましょう。双極性障害、気分変調症で検索するとヒットします。もしわからなければ、住んでいる自治体の精神保健福祉士に相談すると、近くで自分に合った病院を紹介してくれます。
初診は一時間ほどかけて行われます。そこでは自分の今までの人生をとりとめなく話すのではなく、
- いつ頃うつ状態が出現し、躁状態があったか
- これまで受診したことがあるか?それはいつ頃どのような状態であったか
- どのような薬を飲んだことがあるか
- 躁状態時にお酒、買物、ギャンブルなどの依存症がなかったか
などを事前にまとめたメモを持っていってください。
受診をやめたくなってもやめない
医師と相性が合わないと感じても、すぐに医師を変えたり通院をやめたりしないでください。やめてしまうと、また治療は一からやり直しです。
保険適用の診察時間には制限があるので、医師はゆっくり話を聞くことができません。その限られた時間の中で適切な診察と、処方を受けるポイントがあります。
適切な診察と処方を受けるポイント
初診と同様に、診察時には今の気持ちをとりとめなく話すのではなく、事前に医師に伝える内容をまとめておきましょう。
- 今回の受診までに、躁状態とうつ状態の波がどのようにあったか
- 躁状態とうつ状態の度合いはどのくらいだったか(1点~5点で記録する)
など。手帳やアプリで記録をつけておくと正しい情報を伝えられます。たまたま調子が悪いときに、そのときの感情だけで医師に伝えてしまうと、医師も薬の調整やほかの療法を取り入れるかの判断に迷ってしまいます。
薬の調整ができ、安定した生活が送れるようになると通院回数も減るので、経済的な不安も軽減されていきます。しっかり薬の調整ができるまでは、少しだけ辛抱してがんばりましょう。
双極性障害に無理は禁物
双極性障害は、睡眠不足、過労、極度の緊張によって症状が悪化してしまいます。長く安定的に働くのなら、オーバーワークは避けたほうが安心です。夜ふかしや昼夜逆転の生活も、双極性障害の場合は避けましょう。緊張状態が続くようなイベントがあったとき(冠婚葬祭も含め)は、意識的に休む時間を取りましょう。
傾向がわかっていたら、あらかじめ準備をしたり意識的に休息を取ったりすることができるので、大きな気分の波に振り回されなくなります。
私たちカウンセラーは双極性障害の診断はできません。けれど、すでに双極性障害の治療を受けている方のサポートはできます。たとえば治療上での悩み、仕事を続けながら治療することの悩み、周囲の人との関係の悩みなど、解決の糸口を一緒に探すことができます。一人で悩まず、ご相談くださいね。
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ひとりでは解決できないお悩み、身内や友人には話しづらい問題もカウンセラーにお話することで、気持ちの整理整頓ができます。また、カウンセリングで、心のデトックスをするだけで現状が変わることもあります。もちろん秘密厳守です。
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