こんにちは(^-^)カウンセラーのサティです。

月経前の不調

女性のみなさんならどなたでも、月経前の不調に多少なりとも悩まされたことがあるのではないでしょうか。

そうした月経前の不調がひどい方は「月経前症候群」（PMS）として、治療を受けている、また受けていたことがあると思います。PMSは頭痛、腹痛、めまい、睡眠障害、過食、むくみなどの身体的不調と、イライラ、憂うつ、パニック、集中力の低下などの精神的不調が現れます。

さらに月経前の不調として、PMSのほかにPMDDというものもあります。みなさんは、PMDDという言葉を聞いたことがありますか？「PMSは知っているけど、PMDDは知らない」という女性が多いので、今回はこのPMDDについて詳しくお伝えしたいと思います(^-^)

PMSより精神面で重い症状の出るPMDD

PMSよりも、さらに精神面で日常生活に深刻な症状がでるものを「月経前不快気分障害」（PMDD）と言います。月経の始まる7～10日くらい前から症状が出はじめて、月経が来ると嘘のように症状が楽になっていくのが特徴です。

「月経前の精神不安定なんて、誰でもあるのでは？」

そう思われた方もいると思います。しかし、PMDDは仕事、夫婦関係（恋人関係）などの日常生活にも大きく影響を及ぼすものを指し、日常生活にさほどの影響を与えていなければ、PMDDとは診断されません。

PMDDは、アメリカ精神医学会の診断分類である『精神障害の診断と統計マニュアル（DSM-5）』に、診断基準として示されているうつ病と同じ抑うつ障害群の一種とされています。

『DSM-5』によると、だいたい80％ほどの女性が月経前に気分や身体になんらかの変化を感じ、そのうち40％が軽度から中等度の月経前症状があるとされ、PMDDの診断基準をすべて満たす女性はほんのわずかしかいないそうです。

また、PMDDはそのような精神的な症状が、月経のたびに毎回出現することも特徴です。

PMDDの症状

それほどの精神的な苦痛を感じるPMDDとは、具体的にどんな症状が出るのでしょうか。またPMSとの違いは？

PMDDの一番大きな症状の特徴としては強い「易怒性」（いどせい）があることです。易怒性とは、病的で度を越えた過剰興奮状態、要するに怒りっぽくイライラして、それが本人のコントロールで抑えられない状態です。

些細なことにもイライラする、怒鳴り散らす、さらに異性に暴力を振るってしまいます。そのため社会生活、家庭内、夫婦間、恋人間で問題が生じます。

もう一つは「自殺企図」（じさつきと）が生じること。易怒性のような興奮状態から一気に抑うつ状態に気分の波が下降し、そのまま過量服薬や自傷行為を行う、また実際に自殺行為に及んでしまうこともあります。

もちろんPMSと同様に身体的な不調も出現しますが、この易怒性と自殺企図がPMDDの大きな特徴と言えます。

PMDDの原因は？

はっきりとした原因はわかっていないようですが、他の病気と同じく、仕事や対人関係のストレスが原因となっていることが多いようです。遺伝性はあきらかになっていません。

そのほか、ホルモンバランスの変動が脳へ過剰な刺激となりやすい体質はあるようです。産前産後、授乳後に、気分の大きな変調が出る人はPMDDになりやすい傾向にあります。

PMDDは何科を受診すればいい？

精神的な症状が強く出るため、心療内科？ 精神科？ それとも婦人科？ どの科を受診しようか迷われると思います。医師でもPMDDとその他の精神疾患を見分けるのは難しいと言われています。PMDDを見落として、パーソナリティ障害など、他の病気と誤って診断がついてしまうケースもあります。

まずは自分の体調・気持ちの変調の波が、月経によるものなのかきちんと記録し、1年以上月経前に変調が現われ、月経後すみやかに症状が楽になるのであれば、PMDDの疑いがあるので、何科でも良いのでPMDDに特化した病院、クリニックを受診してください。

PMDDであれば、将来的に更年期障害も心配です。女性のホルモンバランスに詳しく、自分と相性の良い医師をかかりつけ医として確保しておくほうが安心です。

PMDDの治療法

PMSと同じく、漢方薬や抗うつ剤、ピルなど薬物による治療が中心です。

その他、

• PMDDに効果があるサプリメントの服用
• 自分がPMDDであることを自覚するだけでも、症状が出る時期に大きなトラブルを防ぐことができる
• 家族やパートナーに、自分がPMDDであることを伝え、PMDDを理解してもらう
• 睡眠不足は症状を悪化させるため、意識して質の良い睡眠を取る
• しっかりと食事からビタミンミネラルを摂取する

を心がけるようにしましょう。

女性の身体と心はとても繊細なもの。PMDDは気合いや根性だけでは乗り越えられない不調です。一人で抱えず、周囲に相談して病院で適切な治療を受けましょう。