カウンセリング

本人にはわからない心の病の兆候に気づいてください【身近な人が救う】

こんにちは(^^)カウンセラーのサティです!
今年の夏にネプチューンの名倉さんがうつ病で休業されていましたが、最近、番組収録で仕事復帰されたようですね。

名倉さんは今年6月に頚椎椎間板ヘルニアの手術を受けて、手術の侵襲によるストレスでうつ病を発症してしまいました。侵襲とは、人間の身体に備わっている恒常性(気温や湿度など外の環境が変わっても、体温調節などをして、体内の状態が一定に保たれる性質や能力のこと)が乱される刺激のことを言います。

名倉さんのうつ病の原因、経緯の詳細はわかりません。もしかしたらうつ病の種が小さな芽を出していて、手術によって一気に大きくなった可能性もなくはない、という精神科の先生のお話も耳にしました。

その中で、名倉さんの奥さんである渡辺満里奈さんが、夫の変化を目の当たりにして、早い段階で「おかしい!」と感じていたそうです。

名倉ご夫妻のように、うつ病を含め、心の病気による変化は、本人よりも一緒にいる人のほうが先に気づくことが多いです。

心の病は自分自身では気づきにくい

心の病気の初期は、怪我のようには見た目でわかりにくいですし、風邪のように顕著な症状が現われないので、気づきにくいのが特徴です。

本人はだんだんと具合が悪くなっていって、いつから自分が心の病気にかかってしまったのか、はっきりとわかりません。気づいたときにはかなり重くなっていて、休業しなければならない状態になっていることもあります。

そんなとき、家族や恋人、友達、など、身近な人が気づいてあげることができたら、早めに対処できるはずです。

渡辺満里奈さんもインタビューの中で「一番近くにいる人がよく見て、変化に気づいてあげるのが、初期段階では大切なのかなと思います」とおっしゃっています。

周囲の人が気づく、顕著な心の病の兆候

うつ病の兆候としては、

✅過眠、不眠など、睡眠障害が出はじめて、日中ぼーっとしていることが多くなった
✅掃除ができなくなった
✅身だしなみが乱れている(風呂に入るのが面倒になる)
✅今までの趣味を楽しまなくなった
✅食生活が乱れる
✅表情が乏しくなった
✅感情の起伏が大きくなった
✅小さなミスを連発する
✅性欲が落ちる

単純にこれらの状態だけを見ていると、周囲は「怠けている」「甘えている」と感じるかと思います。

病気だと知らなければ「もっと頑張れ!」と言ってしまうかもしれません。けれど心の病に「もっと頑張れ!」は禁句です。本人は頭が働かない状態で、頑張りたくても頑張れないのです。

双極性障害(躁うつ)の場合は、うつ病とは兆候が異なります。

✅過度にハイテンション
✅しゃべり続ける
✅大きすぎる夢を雄弁に語り続ける
✅眠らない
✅イライラして人を罵倒する、怒りっぽくなる
✅服装がやたら派手になる
✅香水のつけすぎ
✅性に奔放になる
✅他人に電話やメールをしまくる

一見ものすごくパワフルで強そうに見えますが、上記のような躁状態(ハイテンション状態)には必ず波があって、うつ状態も見られます。(※双極性障害は遺伝の要素が強く、再発率も高いので、ご家族の既往症やご本人の双極性障害の病歴はかなり参考になります)

またうつ病、双極性障害の両方に見られるのが、小さくても怪我や事故が増えるということです。

心の病だと気づいたらやらないでほしいこと

身近な人が心の病だと感じたら、「もっと頑張れ!」という言葉をかけない以外にも、気分転換のつもりで外出やパーティーなどに誘わないようにしてください。

特に海外旅行は大きな刺激になり、一時的に症状が良くなったように見えても、心の病を悪化させるリスクも大きいので勧めないようにしてください。

本人が希望していなければ、人に会わせることも勧めないようにしましょう。人と会うことで気分転換になる人もいますが、うつ状態のときは自分のペースで休めず、かえって疲れてしまいます。人間関係の悪化に至る場合もあるので、無理強いしないようにしてください。

また心の病の原因を突き止めて、責めることもやめましょう。

周囲が本人にしてあげられること

家族でなければ、なかなかしてあげられないことかもしれません。また家族も生活があるので、24時間付きっきりでサポートしてあげることは難しいかもしれません。

少なくとも悪化を防ぐために、知っているだけでも良いこととして書かせていただきます。

①できる限り寝かせてあげるようにしましょう。心の病気に睡眠はとても重要です(予後に大きく関わります)本人は寝てばかりいる自分に罪悪感や焦りを抱く場合もありますが、周囲はできる限り眠れる状況を作れるようにサポートしてあげてください。

②食事ができず、栄養がちゃんと摂れていないようなら、食べられるものを用意してあげましょう。お酒、甘い物、カフェイン、カップ麺、コンビニの菓子パン・総菜パンは神経を荒らしてしまうので過剰摂取させないこと、できればビタミン、ミネラルを食事から少しでも摂れるようにしましょう。

③伝え方など工夫が必要ですが、受診を勧めるうにしてください。 

うつ病の診断が下れば、気持ちが楽になる人もいますし、自覚することで漠然とした不安感や恐怖感から少しでも解放されることがあります。

周囲もただ怠けているだけなのか、心の病なのか、または身体の病気が原因なのかがわかれば、サポートしやすくなります。

症状が深刻にも関わらず、本人が受診拒否する場合は、とりあえず本人以外の家族が受診して相談できる病院やクリニックもあります。(薬の処方は不可、保険は効かず自由診療)

厚生労働省が運営しているメンタルヘルス・ポータルサイト『こころの耳』には、とても役に立つ情報がたくさんまとめられているので、困ったときには情報を探してみましょう。

できれば受診に付き添う

保険適用の診察は時間が決まっています。その短い時間の中で的確に心身の変化を医師に伝えられるのは、本人よりも実は身近な人です。

心の病と言っても、その種類はたくさんあります。うつ病と双極性障害の症状が大きく異なるように、病気の見極めがとても難しいです。残念ながら、心療内科や精神科の医師でも、診断を誤ったり、薬が合っていないまま処方し続けてしまったりするケースも数多くあります。

ただでさえ病気で思考力が落ちている本人が、自分に合った病院、医師、治療法、処方薬を見極められるかというと、とても難しいことなのです。

渡辺満里奈さんも、はじめに名倉さんがかかった病院で処方された薬が、明らかに合っていないと感じ、思い切って病院を変えたそうです。2番目の医師は名倉さんのうつ病を見抜き、休養を勧めました。

薬が合わず、もともとの病状なのか副作用なのかわからなくなってしまう場合もあります。新しい薬を飲みはじめた際の変化は、その後の治療でとても大事になります。渡辺さんの判断はとても良かったと思います。

受診する上で大事なこととして、

  1. 既往症、今までの経緯、症状についてきちんと話を聞いてくれる医師であるか
  2. 一度にたくさんの薬は処方せず、少量の薬をコントロールして処方してくれるか
  3. 心理テストをきちんとしてくれる(見た目よりも深刻な症状を抱えている可能性もあるため)

病院選びの参考にしていただけたらと思います。

心の病のサポートはほかの病気と同じくつらいものです。看病の過程で一緒にうつ病に陥ってしまうこともあります。

共倒れになってはいけないので、私はサポートする側のサポートやケアも大事だと常に感じています。「自分は心の病ではないからカウンセリングは不要」とは思わずに、サポートする側も気軽にカウンセリングを受けていただけたらと思います。

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