こんにちは(＾◇＾)カウンセラーのサティです！
カウンセリングでよく聞くお悩みに「性格を変えたい」というご相談があります。ご自身の根気のないところや嫉妬深いところを治したいというお悩みや、恋人や家族の性格を変えたいというご本人以外の悩みもあります。皆さんも多かれ少なかれ自分自身や他人の性格を変えたいと思ったことがあるのではないでしょうか。

一方で「性格なんてそう変えられるものじゃないよ」という経験もあったと思います。多少の性格の歪みは、人づきあいの中で相性が分かれるかもしれませんが、日常生活に大した影響はありません。けれど性格が原因でパートナーと長続きしない、また長く勤められず職を転々としてしまうようなことがあれば、「性格を変える必要」を感じて、何とか性格を変えられないものか…と真剣に考えるのではないでしょうか。

性格って生まれつきではないの？

実は“性格”は先天的に人間が持っているものではありません。生まれ持って人に備わっているのは“気質”というもので、そこには遺伝的な要素があります。外交的、内向的、感受性の強さは生まれた時から人それぞれ異なります。一方性格は、後天的な要素が強く、成長過程で形成されていくものです。

要するに気質は、その人の軸のようなもので、成長に伴って性格が肉付いていきます。気質には個性はあっても、良し悪しはありません。得意な面は社会で活かしていけば良いですし、不得意な面は得意な人に助けてもらえば良いのです。

性格は、成長過程で形成されていくものですから、似た気質を持って生まれた人同士でも育った環境が違えば性格も異なります。いつも否定されて育った人は自分に自信が持てず、自分を守るためにすぐ人を攻撃するようになったり、おどおどしていつも不安感を持ったりします。また本当は感受性が豊かで自己表現が大好きなのに、バカされた経験から自分を一切出さなくなる人もいます。

性格ってどうやってできていくの？

私たちが何気なく取っている行動には、思考と感情が伴っています。たとえばAさん、Bさん、Cさんの３人がいたとします。3人とも同じ失敗をして、同じように上司に怒られました。

Aさんは怒られて悲しくなり、「私は必要とされない人間だ」と考え、翌日から仕事に行くのがつらくなり休みがちになってしまいました。
Bさんは怒られて腹が立ち、上司に怒りをぶちまけて、翌日からは会社に行かなくなりました。
Cさんは少し落ち込みましたが、上司の言葉をきちんと受け止め、誰だって失敗くらいするさ、と前向きに考えて翌日は更に気合いを入れて仕事に取り組みました。

3人に起きた出来事は同じだったけれど、それぞれに沸き上がった感情、思考は異なりました。そして取った行動もまったく異なり、結果が大きく変わりました。
このように起きた出来事は同じでも、感じ方の違いによって、考え方が変わり、それに伴って行動もまったく異なってしまうのです。この感情→思考→行動の繰り返しが性格を作っていくのです。

性格を変える方法

性格は、上記の3人で挙げたように感情→思考（考え方）→行動のパターンが何度も繰り返されて形成されていきます。
ならば、まず根源となる感情に注目してみましょう。

ステップ1
出来事に対して、すぐに行動してしまうのではなく、一旦ひと呼吸おき、自分の中にどんな感情が沸き上がるか感じてみましょう。
すぐに考える時間がなければ、日記などに記録しておいて後でゆっくり自分の感情と向き合ってみましょう。何か嫌な出来事が起きた時には、特に分かりやすいと思うのでチャンスです。

ステップ2
感情が沸き上がった理由を考えてみましょう。

• 自分の存在が軽く見られている気がして怒りがこみ上げてきた
• 自分の存在が不要だと言われたみたいで悲しくなった
• 自分は邪魔だと言われた気がして憂鬱になった

などが挙げられるかもしれませんね。それも記録しておきましょう。

ステップ3
いつ頃から、その感情が沸き上がるようになったか振り返る。

• 学生時代、いじめられた経験から人に心を開くのが怖くなった
• 前の彼氏に浮気されてから異性に対して疑り深くなった
• 姉妹でいつも比較されて育って劣等感がある
• 両親がお金に苦労していて、お金に対してシビアになった

など色々な思い出と向き合うことになるかもしれません。その時の思い出で心が苦しくなるかもしれませんが、沸き上がる感情にフタをせず、じっくりその感情を味わってください。その上で「これはもう終わったことだよ」と、耐えた自分のがんばりを認めつつ、慰めてあげてください。

こんなことで本当に性格が変わるのか？
と思われるかもしれません。でも一番性格を歪ませるのは、感情を抑え込んでしまうことなのです。自分の感情をきちんと認めて消化することで、ネガティブな感情は生まれなくなり、考え方も行動も変わってきます。これは心理学では認知行動療法の分野となりますので、一人で行うことも可能ではありますが、本当に根深い部分ではカウンセラーや心理療法家のサポートが必要となります。もしこの記事を読んで気になったら、お気軽にご相談くださいね。